2022年04月04日

MICE市場トピックス(2月)

毎月、海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。
① MICE関連の旅行会社や関係団体の動向
② MICE関連の訪日意欲の有無・変化
③ イベント開催の有無とその感染症対策
④ その他の特記すべきトピックス、ニュース (特筆する情報がない場合は、当該番号に「なし」と記載しています。)
本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。※2022年1月末時点の情報です。
【台湾市場】

① 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてきており、3回目のワクチン接種が進んできたこともあり、9月頃までの台湾域内旅行の予約が好調となっている。現地旅行会社は森林観光区や観光鉄道、秘境ツアー、季節・期間限定のツアーといった特色ある商品を打ち出している。域内のインセンティブ旅行も活況で、中には今年の売り上げの4~5割がインセンティブ関連売り上げになると予測する旅行会社もある。
台湾政府は早ければ今年の7月から12月頃に台湾からの海外旅行を再開する可能性があるとの見通しを発表した。これを受けて一部の旅行会社では、新型コロナウイルスの感染拡大後に離職した元従業員を呼び戻し、人員確保に努める動きも見られている。

② 日本政府による3月からの水際対策緩和を受け、一部の旅行会社では日本行き団体旅行ツアーの販売を再開したが、ツアー料金は通常の相場から見ると大きな値上げとなっている。
年度末にかけ、日本の自治体が主催するオンラインイベントやオフラインイベントが多数開催されている。3月5日~6日に、東北運輸局と(一社)東北観光推進機構が主催したオフラインのBtoCイベント「日本東北遊楽日」では、オープン前から約1,000人の行列ができるなど大盛況だった。一方、同時期に日本のオンラインセミナーや商談会が多数開催されることに対して現地旅行会社からは不満の声も上がっており、参加者を取り合いになってしまっているケースが見受けられる。

 
「東北遊楽日」の会場の様子
 

③ 3月1日より公共交通機関内で禁止されていた飲食が解禁になり、また運動時のマスク着用も不要になるなど制限の緩和が進んでいる。イベントの開催についても入場制限は設けられておらず、現在はマスクの着用や体温測定、消毒等が義務付けられているのみとなっている。

④ 特になし

【韓国市場】
① 小規模なインセンティブツアー目的地として、韓国とトラベルバブルを結んでいるサイパンとシンガポール行きの問い合わせが出始めているものの、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、2022年の上期には海外へのツアー実施はそれほど増加しない見込み。現地旅行会社によると、4月以降に予定されているインセンティブツアーは保険・ネットワーク・自動車の業種が多く、ベトナムやタイ、フィリピンなど他の東南アジアの行先への提案書を求める企業も出てきているとのこと。国内のインセンティブツアーとしては、済州道行きの小規模ツアーの実施例が多数ある。

② 日本政府による3月からの水際対策緩和を受けて、訪日インセンティブツアーについての問い合わせが出始めている。2019年に高まった反日の雰囲気も現在は薄れてきているので、日本の入国制限の更なる緩和と、韓国における帰国後の隔離制度の緩和が重要になる。

③ 2月9日から2月11日まで、ソウルのCOEXで韓国最大級の半導体産業展示会である「EMICON KOREA 2022」が開催された。ハイブリッド形式ではあったが、リアルで開催されるのは3年ぶり。新型コロナウイルスの新規感染者数が連日最大値を更新している状況下での開催だったが、483の企業が参加し、COEXの全てのホールが使用されて新型コロナウイルスの流行前と同規模の約2,000のブースが出展された。会場入場時にはワクチン接種の証明書やPCR検査の陰性証明書等の提示を求められ、体温測定を実施した上で、入場許可ブレスレットの装着が義務付けられていた。また会場内は飲食禁止であった。

④ 釜山観光公社は2022年の国際会議支援金の申し込み受付を開始した。誘致、広報、開催の3段階で支援され、金額は前年比150%に拡大されて最大1億ウォン(約980万円)まで支援するとしており、地域企業を活用する場合は追加の支援金も支給される。

【ベトナム市場】
① 国内観光が顕著に伸びてきているが、新型コロナウイルス感染への懸念から顧客は募集型パッケージツアーには申し込まず、個人で交通と宿泊施設がセットになった商品や、レンタカーなどを旅行会社で予約する傾向がある。一部大手旅行会社では既に東南アジア他国や、入国後の隔離措置がないドバイ、アメリカ等の海外旅行商品を販売していたが、ベトナム政府が3月15日から観光での往来を全面再開すると発表をしたことを受け、各社はインバウンド、アウトバウンド観光の再開準備を急いでいる。料金は各方面ともにコロナ前より大きく値上がりしているが、海外旅行の需要は高く問い合わせが多いようだ。インセンティブ団体旅行も多く実施されており、大手旅行会社へのヒアリングによると2月から3月にかけてベトナム国内で200~600名規模のインセンティブツアーが複数催行されている。

② 現地旅行会社によると、顧客へのヒアリングでは「日本へ行きたい」という回答が最も多いが、今後訪日旅行を販売していく上では「日本が安全か」「現地ですぐに病院にかかることができる体制になっているか」「外国人旅行者でも簡単にPCR検査が受けられるか」が重要になってくるだろう、とのこと。また別の旅行会社によると、日本でガラディナーを開催したいという企業が多いが、訪日インセンティブツアーの価格はベトナムの月収3か月分程度になるので、高所得層が多い主要都市からプロモーションするのが良いだろうという声もあった。

③ ベトナムでは旧正月休み(1月29日~2月6日)明けから一部地域で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、店内飲食が禁止されたり、学生の対面授業が中止されたりしている地域があるが、外出や移動制限はなく人々は自由に行動できている。2月まではリアルイベントはほぼ開催されていなかったが、3月31日から4月3日にはベトナムで最大級の旅行博であるVietnam International Travel Mart(VITM)がハノイでリアル開催される予定。またトゥエンクアン省では3月30日から4月3まで「国際熱気球フェスティバル」がリアル開催される予定となっている。

④ 〈競合国の動向〉 ・タイ政府観光局(TAT)は、3月28日から4月3日までバンコクおよびチェンマイ行きのファムトリップ「Amazing New Chapters Mega FAM Trip」の開催を予定している。 ・台湾観光局は2月25日にホーチミンの大手旅行会社を招待し、市内レストランで年間プロモーション計画の説明会を開催した。説明会では台湾観光の紹介の他に、ポストコロナにおける台湾観光局からの金銭的補助を含んだ具体的な支援策が紹介された。

【英国市場】
① 世界的に渡航制限が解除され始めているため、海外旅行の需要が高まってきている。国際航空運送協会(IATA)によると、1月下旬に販売された国際航空券は2019年の同時期比38%だったの対して2月上旬には49%に達しており、これは新型コロナウイルスが流行し始めてから最も早いペースの増加とのこと。現地のミーティングプランナーおよび主催者もこの規制緩和に伴って会議案件が増え、忙しくなってきている。

② ミーティングプランナーからJNTOロンドン事務所への問い合わせも3月上旬より徐々に増えている。10月以降の具体的な会議やイベントについての問い合わせが散見され、ファムツアーは間もなく再開されるかといった問い合わせもあった。

③ 英国では3月までに新型コロナウイルスに関するすべての法規制が解除されており、イベントの入場時に義務付けられていた接触追跡アプリのチェックも不要となっている。4月1日以降、英国政府はこのアプリの使用推奨もやめるとしており、新型コロナウイルスの検査で陽性となった人は自己隔離を求められなくなる予定。

④ 特になし

【スペイン市場】
① 2月11日にマドリードで「ProBusiness Place Forum」が開催され、新型コロナウイルスの流行がもたらしたMICE業界の変化と回復の見通しや、業界の現状について意見が交わされた。MICE業界は2022年に入ってから再び盛り上がりを見せているものの、企業の前年度の業績によって左右されるケースもあり、2019年以前のレベルまで回復するのは2023年の半ばになる見込みであるとの意見が述べられた。またイベントの開催形式については、リアルとオンラインの組み合わせによるハイブリッド型は今後も継続すると予想される一方、ビジネス旅行やインセンティブ旅行は完全に対面式であるため、徐々に新型コロナウイルスの流行以前のような状況が戻ることも予想されている。MICE業界の現状については、新型コロナウイルスの影響でイベントの企画が実施直前になるクライアントが増加したことが指摘され、イベントの準備期間が3か月を切る場合も多くあり、感染状況の変動に振り回されて余裕を持った仕事が困難となっているという。
スペイン人の旅行意欲は依然として高いが、アジアなど遠距離のデスティネーションについては各国の入国規制が引き続き観光業再開のブレーキとなっており、旅行者が抱く不安感を解消することが難しいことも述べられた。人々のメンタルヘルスを考慮しながら、安心感がある旅が求められていることが強調された。

② 新型コロナウイルスの感染収束に伴って、JNTOマドリード事務所には2023年以降のインセンティブ旅行に関する問い合わせが寄せられてきており、2022年中に視察を実施する準備を進めている案件もある。インセンティブのみならず、3月以降にビザを申請しても出張目的のために訪日したいという問い合わせが現地旅行会社には入ってきているとのこと。
③ 2月6日から2月10日まで、世界観光ガイド連盟(WFTGA)の総会がマドリード市内のホテル・マジョラスゴで開催された。形式はハイブリッドだったが、感染症対策はアルコール消毒液の設置やマスクの着用くらいで、その他特段の対策はなされていなかった。

WFTGAの総会の様子
総会後のディナーの様子
日本ブースの様子

④ バレアレス諸島・マジョルカ島の観光推進財団「フンダシオン・トゥリスモ・パルマ365」は、バレアレス諸島中国人協会(ACHINIB)と協力し、中国市場向けにマジョルカ島へのMICE誘致活動を実施することを発表した。中国ではスペイン観光への関心がビジネス旅行、インセンティブ、そして国際会議にまで広がっており、今年の秋から中国でも海外旅行が再開される見込みなので、レジャー観光のシーズンオフとなる冬に中国市場からの富裕層旅行者やMICEの呼び込みを図りたいと述べている。

 

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