お知らせ

2022年01月31日 MICE市場トピックス12月号を公開します

台湾市場、ベトナム市場、インド市場、スペイン市場および英国市場についてレポートします。

① MICE関連の旅行会社や関係団体の動向
② MICE関連の訪日意欲の有無・変化
③ イベント開催の有無とその感染症対策
④ その他の特記すべきトピックス、ニュース (特筆する情報がない場合は、当該番号に「なし」と記載しています。)

本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。

【台湾市場】

① 現地旅行会社へのヒアリングによると、海外への渡航制限の解除は2022年7月以降を期待しており、解除されてまず動き出すのはインセンティブ、その後友人訪問、団体旅行、個人旅行という声が多い。台湾の企業は一般的に約半年前からインセンティブ旅行を計画し始めるので、最近は2022年後半の海外インセンティブについての問い合わせも出ており提案を行っているとのこと。ただ、現時点で制限解除の見込みが立たない中、台湾内で複数支社をもつ旅行会社では一部でインセンティブ業務を台北に集約する動きも見られる。
台湾鉄路と旅行会社大手の雄獅旅行社が提携して運行している、五つ星クラスの観光列車「鳴日号」のチャーターがインセンティブ需要で好調となっており、個人客の席があまり取れない状況。渡航制限解除後の訪日インセンティブ旅行においても、同様の高級観光列車ツアーに需要が出てくることが期待できる。また、バスで美しい夜景を眺めながら五つ星ホテルの豪華な食事を楽しむことができる「レストランバス」のツアーも最近話題になっている。

② 大手旅行会社のライオン・トラベル・サービスが12月に実施したアンケート結果では、2022年に1回以上海外旅行に行きたいと回答した割合が77.7%で、希望の行き先は個人旅行では、日本(77%)・韓国(32%)・中国/香港/マカオ(27%)・タイ(20%)の順に、インセンティブ旅行では、日本(30%)・中国/香港/マカオ(17%)・タイ(11%)の順に回答が多かった。時期や期間が限られるインセンティブ旅行において、移動コストが抑えられるにも関わらず満足度の得られる訪日旅行は非常にコストパフォーマンスが良いと分析されているほか、日本で使用されている漢字が台湾の繁体字と共通点が多い事への安心感や、インバウンド客を重視している日本の受入体制が優れており、海外旅行初心者にもふさわしいこと等が指摘されている。企業のインセンティブ旅行実施希望時期と期間は、冬休み・夏休み等のピークシーズンを避けた3~5月、もしくは9~11月に5日間という回答が多く、現地での宿泊及び食費にかかる予算については企業の42%が1~3万台湾ドル(約4~12万円/1月11日時点1台湾ドル=4円換算)以上の予算としている。

③ 大手金融企業を中心に、春節前の大規模な忘年会の開催自粛が相次いで発表されている。域内感染拡大やクラスター発生のリスクを考慮したもので、防疫意識は引き続き高い。

④ 特になし

【ベトナム市場】

① ホーチミン市では新型コロナウイルスの感染が落ち着いてきていることから、徐々にコロナ禍以前の状況に戻りつつあり、1月10日からはバー、カラオケ、マッサージなども営業を再開。一方、ハノイ市では感染者が急増しており、店内での飲食禁止などの制限が設けられているが、外出・移動制限はかけられておらず人々は自由に移動している。年末年始の3連休では多くの人が国内旅行をしたので、旅行会社は旧正月の集客に前向きに取り組んでいる。インセンティブ旅行も国内では少しずつ再開されてはいるが、ハノイなどの地域の感染者増を受けて数は少なく、実施する場合もあまり遠いデスティネーションは避ける傾向にあり、自然の多い場所を選択しているケースもある。以前に重要視されていた価格や流行ものより、安全性や健康といった面が重要視されるようになっている。

② 12月2日にJNTOハノイ事務所が行ったウェビナーでは、参加者から渡航制限や日本国内の感染対策についてのほか、ゴールデンルート以外の新しいデスティネーションや、企業視察、ビジネスマッチングなどについて質問が上がった。

③ 新型コロナウイルスの影響で、リアルイベントは開催されていない。

④ 〈競合国の動向〉
・韓国観光公社(KTO)は12月21日にKOREA MICE WEBINAR 2021を開催し、新たな観光地の紹介、訪韓インセンティブ団体への支援策、韓国のランドオペレーターの紹介、バーチャルツアーなどを行った。参加者全員に20万ベトナムドン分のオンラインショッピングクーポンが贈呈され、クイズやゲームではSAMSUNG GALAXYなどの様々な豪華賞品が準備されており、旅行会社からの評価も非常によかったとのこと。
・台湾観光局は12月10日~12月21日まで「温泉写真探し」というミニゲームを実施した。台湾の泥温泉、海底温泉などの温泉写真を探してFacebookのページにコメントするもので、見つけた枚数によってマスクや旅行グッズなどの賞品が提供された。

【インド市場】

① 現地旅行会社へのヒアリングによると、10月頃から問い合わせが増え、ドバイやスリランカへの海外インセンティブ旅行が復活しつつあったが、新型コロナウイルスのオミクロン株流行に伴って再び予約のキャンセルや延期が出てきた。計画されていたインセンティブ旅行のプログラムはコロナ禍以前とさほど変わらず、ガラディナーやチームビルディングなどを含むケースもあった。

② オミクロン株が流行する前は、訪日インセンティブ旅行についても旅行会社へ問い合わせが来ていたが、航空券の値段が高騰していることが懸念されていた。

③ オミクロン株の流行に伴い、ムンバイでは緩和されていた規制が12月18日からやや強化され、屋外イベントや集会は200人まで、室内イベントや集会は50人までの人数制限となった。
ムンバイで毎年開催されているMICE商談会「MICE INDIA & LUXURY TRAVEL CONGRESS 2022」、またデリーで毎年開催されているMICE商談会「BUSINESS+LEISURE TRAVEL+MICE 2022」は、現在のところそれぞれ2022年7月13日~7月14日と、10月7日~10月8日の日程でいずれもリアル開催される予定となっている。

④〈競合国の動向〉
・韓国観光公社(KTO)は12月10日、デリー市内においてセミナー「Korea Xperience Day 2021」を開催。セミナーでは最新情報の提供のほか、韓服(ハンボク)着用体験、景福宮バーチャルツアー、人気映画「イカゲーム」風のクイズ大会などが行われた。
・タイ国政府観光庁(TAT)ニューデリー事務所は、バンコク、パタヤ、プーケットなどの主要観光地を紹介するためのオフラインセミナーを12月8日にアッサム州グワハティで、12月27日にデリーで開催したほか、11月25日からは旅行代理店などを対象としたEラーニング「Thailand Specialist Program」をスタートした。

【スペイン市場】

① 12月より新型コロナウイルスのオミクロン株が全国的に広がり、12月16日~12月17日に開催が予定されていたマヨルカ島の「Mallorca Loves MICE」が2022年3月に延期されるなど、MICE業界にも影響を及ぼしている。しかしスペインのMICE業界は楽観的であり、観光業界全般の回復にはビジネス旅行や見本市などのイベントは欠かせない、2022年には参加型イベントが復活するだろうという声が多く聞かれる。1月19日から1月23日にマドリードで開催予定の国際観光見本市・FITURや、2月28日から3月3日にバルセロナで開催予定のMobile World Congressは予定どおり開催されることが現地メディアで発表されている。

② 特になし

③ MICE業界見本市のIBTM Worldが11月30日から12月2日までリアル開催され、約7,000人が来場、72か国から約1,200の企業が参加したと発表された。イベントには事前登録が必須で、自分で参加者バッジを印刷してくる必要があった。入場にはワクチン接種証明、迅速抗原検査もしくはPCR検査の陰性証明、自然免疫を持っていることの証明のいずれかが必要とされ、迅速抗原検査・PCR検査は会場でも有償で行っていた。会場内は全エリアでマスク着用必須とされ、ソーシャルディスタンスを保つことや、握手をしないこと・紙の名刺を交換しないことなどが推奨されていた。

(左)書道体験を待つ来場者の列
(左)書道体験を待つ来場者の列
【スペイン市場】
(中)楽天グループのコーナー
(右)ブースにて書道体験
(右)ブースにて書道体験

【英国市場】

① オミクロン株の流行によって、欧州で予定されていた大規模イベントのキャンセル・延期が相次いでいる。2022年3月にベルリンで予定されていた国際旅行博・ITBはキャンセルとなり、1月にダブリンで予定されていたSITEの国際会議は日程未定の延期、4月に予定されていたMICE専門見本市・IMEXフランクフルトは5月末開催へ延期となった。
イギリスでは12月初めから渡航制限が強化されていたが、すでにオミクロン株が広く流行してしまったことから、1月よりワクチン接種完了者に対する入国前の検査を取りやめ、自主隔離のルールも変更するなど制限を緩和した。

② バルセロナで開催されたIBTM WorldでJNTOロンドン事務所がヒアリングを行ったところ、何名かの企業主催者が日本での列車を利用した旅に興味を持っていた。現在アジア方面は渡航制限により旅程調整が困難なので、近場の目的地に焦点を合わせているミーティングプランナーが多いが、国際会議においても2023年以降で日本開催に興味を持つ主催者もおり、潜在的な需要がうかがわれた。

③ イギリスでは12月15日より、ワクチン接種証明書もしくは陰性証明書の提示が一部大規模イベント開催にあたっての法的要件となった。対象となるのは屋内で500名以上、屋外で4,000名以上、また10,000名以上の場合は屋内外問わずに必要となる。

④ 特になし

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