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2022年08月31日 MICE市場トピックス(8月)

毎月、海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。

① MICE関連の旅行会社や関係団体の動向
② MICE関連の訪日意欲の有無・変化
③ 現地でのイベント開催の有無とその感染症対策
④ その他の特記すべきトピックス、ニュース  (特筆する情報がない場合は、当該番号に「なし」と記載しています。)

本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。※2022年7月末時点の情報です。

【ベトナム市場】

① 夏休みシーズンに入っていることで、国内旅行・海外旅行共にニーズが非常に高くなっている。各旅行会社の社員が毎日残業しなくてはいけないほど旅行業界が非常に忙しくなってきており、インバウンド観光も徐々に回復してきている。

② 過去2年間コロナ禍で大人数の集まりが控えられていた反動で、企業によるインセンティブ旅行の需要が非常に高くなっている。現在、インセンティブ分野は旅行会社の一番大きな業務シェア(全体の6~7割程度)を誇っており、コロナ後に最も回復している分野となっている。また国内のみならず、タイ、シンガポール、韓国など海外行きのインセンティブツアーも盛んになっている。ハノイの大手旅行会社によると、コロナ前と比べMICE顧客が500%も増加しており、この夏だけで1000を超えるインセンティブ団体の取扱いを予定するなど、2019年と比べて大幅に増加しているという。その他の旅行会社でも8月に多くのインセンティブ旅行の実施が計画されおり、インセンティブ旅行需要の回復が期待できる。

③ ベトナムにニューノーマル時代が訪れたとともに、ビーチリゾートをはじめとする国内の様々な場所で大規模イベントが開催されている。7月14日~7月17日にはダナン市で「ダナン日越文化フェスティバル」が開催され、多くの来場者で賑わった。また、日本の自治体の来越トップセールスも盛んになっている。 全国的に新型コロナに感染に対する考え方がニューノーマルシフトしてきている。感染症対策に関しては、ビルや商業施設、レストランなどで最低限の対策(マスク着用や消毒液の設置等)はされているものの、人数制限や集会の禁止などはなく、一般の風邪と同様の扱いになってきており、ほぼコロナ前の通常生活が戻っている。

④ なし

【タイ市場】

① 日本の水際対策の緩和により、旅行会社も今後法人向けの訪日インセンティブ旅行の商品造成を広げていく意向がある。実際にインセンティブ旅行に関しての問合せや予約が増えてきており、今後の訪日旅行需要の急激な回復を見据えて、独自で視察旅行を実施・計画している旅行会社も多い。

② 6月10日以降の日本の添乗員付きパッケージツアーの受入再開の発表を受け、企業からのインセンティブツアーの問合せが増加傾向にある。

③ なし

④ 7月1日にタイ政府が入国制限を緩和し、入国申請 システム「タイランド・パス」を廃止した。それに伴い首都バンコク近郊のスワンナプーム国際空港に到着する外国人旅行者が増加しており、今後観光シーズンが始まる 10 月には外国人旅行者数が倍増すると予測されている。国際航空運送協会(International Air Transport Association) は、2022年の外国人旅行者数は 1,000 万人を超えると想定している。

【フランス市場】

① フランスのMICE関連企業・団体の間で「ISO 20121」の取得が相次いでいる。「ISO 201221」はイベント運営における国際規格であり、環境影響だけではなく経済的、社会的な影響についても管理することで、イベント産業の持続可能性をサポートするシステムとなっている。オリンピックなどの国際イベントから地方のお祭りといった、あらゆるタイプのイベントに適用可能である。

② 日本の感染拡大についてフランスのメディアでも報じられているが、日本の感染者数に対する死亡率が非常に低いことや、岸田首相による「今後も制限を緩和していく」というコメントが合わせて取り上げられており、訪日旅行需要の回復が期待されている。

③ なし

④ フランス、ベルギー、スイスでのオミクロン株の流行は7月初旬にピークを越え、7月末までに全体的に減少した。その間、各国政府は新規制限対策を特に実施しなかった。

【韓国市場】

① 2022年3月以降海外インセンティブ旅行が再開し始めている。その主要開催地がグアム、サイパンから始まり、5月以降からはヨーロッパ、米国、東南アジアリゾートを中心に増えている。 一方で、7月以降は韓国国内でも感染者が増加したため、予定されていたインセンティブ旅行を保留する会社が出るなど、その影響が現れている。

② 訪日意欲は高くなっているものの、ビザ問題や航空路線問題から、他国を開催地として選ぶケースが依然として多い。

③ 6月に仁川観光公社がMICE FAM TOURを実施した。6月上旬にシンガポールのMICE関係者10名(現地企業や旅行会社及びマスコミ関係者)が参加し、6月下旬に韓国国内のMICE関係者30名(旅行会社や学協会など)が参加した。ファムトリップでは松島コンベンシア(コンベンションセンター)や、韓国最大級のカジノや5つ星ホテル等がある統合型リゾートのPARADISE CITY等を視察した。

④ なし

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