お知らせ
2025年04月21日 MICE市場トピックス(3-4月)
海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。
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【豪州市場】
JNTOシドニー事務所は、オーストラリア第2の都市であるメルボルンで2月10日(月)~12日(水)に開催されたAIME 2025に、2月11日(火)と12日(水)の2日間出展した。AIME(Asia Pacific Incentives and Meetings Event)はアジア太平洋地域最大級の規模を誇るMICE見本市であり、インセンティブ旅行・企業会議・国際会議のバイヤーが数多く参加する。主催者の報告によれば、AIME2025には前年と比較して100以上多い675団体が33の国と地域から出展した。また、1,390名のバイヤーが参加し、全体で約20,000件の商談が行われた。
JNTOブースでは41社と商談を行い、そのーうち、12社が既に具体的に日本で開催される会議・インセンティブ旅行の案件を持っており、13社が次回以降の目的地・候補地の1つとして日本を検討中であった。またその他の16社からは、現時点で日本が候補地となる具体的な案件はないものの、一般旅行の日本人気に影響を受け、将来の手配を想定して情報収集をするためにJNTOブースに立ち寄ったという声が多く聞かれた。インセンティブ旅行は主に自動車等のメーカー、テック系企業、医師・看護師を顧客とする旅行手配が多く、バイヤーからは過去に手配したディスティネーションとしては東京・京都・大阪・福岡の名前が多く挙がった。また、ユニークな文化体験やベニューを探しているという声も多く聞かれた。このため、JNTOからはDMCやホテルに係る情報提供と共に、地方のベニューに係る情報提供を意識的に行った。なおAIME2026に向けては、日本から共同出展者を募ってJAPANブースとして出展する予定。
【米国市場】
ニューヨーク事務所は、3月10日(月)から12日(水)にかけてマンハッタンで開催されたMICE商談会「SMU International」に参加した。
本商談会はMICE専門メディアであるNorthstar Meetings Groupが主催する年次イベントであり、北米のバイヤー(ミーティングプランナー)や各国の政府観光局、コンベンションビューロー、ホテル等が一堂に会し、事前アポイント制の1対1の商談やネットワーキングが行われる。米国外での国際的なイベントを企画するバイヤーのみを対象としており、出席したバイヤーの多くが日本をはじめとする長距離ディスティネーションでのイベント開催への関心を有しているのが特徴である。今年は過去最大の475名(そのうちバイヤーは約200名)が参加し、例年以上の賑わいを見せた。
ニューヨーク事務所は23名のバイヤーと商談を行い、観光庁が選定したグローバルMICE都市(12都市)を含め、日本の各都市へのアクセスや主要イベント会場、国際会議のサポートプログラムの紹介等、日本でMICEイベントを開催する際に有用な情報を提供した。インセンティブ旅行を扱う多くのバイヤーからは、「日本でのインセンティブツアーは、参加者にとって非常に魅力的で、とくに茶道や着物体験といった伝統文化体験が豊富にある点に大きな関心を持っている」と日本への高い関心を示すコメントが寄せられた。これまでに訪日経験がないバイヤーの間でも日本への関心の高さが感じられたが、日本への理解が十分でないため、ファムトリップの機会があればぜひ参加したいという声が多く寄せられた。また、国際会議は東京、大阪等の大都市が開催都市として人気である一方、例えば、スタートアップ企業が集まる都市について尋ねられることもあり、クライアントの業界に関連する産業が集積する都市に対する関心が伺えた。また、多くのバイヤーは日本に対して前向きな評価を示していたが、一部のバイヤーからは、言葉の壁によるコミュニケーションの難しさや、サプライヤー側の内部手続きに時間がかかり対応に時間がかかるといった点に改善が指摘された。
今後は、ファムトリップの推進や、言語対応、手続きの効率化を図り、バイヤーとの信頼関係を築くことが、日本のMICE市場の競争力向上に繋がると考えられる。
【フランス市場】
JNTOパリ事務所は3月13日(木)にパリ市内のLe Pavillon Dauphineで行われた「Pure Meetings & Events」に参加した。当イベントはフランスを中心としたバイヤー(約500社)と国際的なセラー(約100社)を結ぶ大規模なMICEのBtoB商談会であり、事前マッチング制の商談セッション(最大27枠)が行われた。
当イベントには、バイヤーとしては企業、旅行会社やイベント会社等が、セラーとしては政府観光局、ホテル、DMC等が参加していた。アジア地域からのセラーはJNTOを含む3団体が参加したが、日本は非常に人気があり常にバイヤーとの商談が絶え間なく続いている状態で、合計26件の商談を行った。商談では「2026年に350名程度の会議を行いたく、4つ星ホテル付近の会議場所とホテルを探している」、「2025年12月に大阪に自社のインセンティブの顧客を送客予定」、「7日間ほど顧客を日本へ送客することを検討しており、滞在中に体験できる日本ならではのコンテンツを知りたい」といったプランナーがおり、2025年と2026年に開催を予定している会議やインセンティブ等についての具体的な相談を多く受けた。今までに他国への送客をしていたが、顧客の日本での会議開催希望の高まりを受け、新たに日本への送客を考え始めたバイヤーも複数おり、レジャー市場と同様に、MICE市場における日本人気の高まりを感じられた。
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