お知らせ
2025年08月26日 MICE市場トピックス
海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。
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【英国市場】
JNTOロンドン事務所は、6月に2件のMICEイベントに参加した。まず、6月25日(水)から26日(木)までExCeL Londonで開催されたNorthstar Travel Group主催の「The Meetings Show 2025」に出展した。本見本市には、テクノロジー企業、DMC/DMO、ホテル、航空会社、会議施設など561社が出展していたが、出展者数は前年より約18%減少しており、うちデスティネーションの出展数も前年度比-47%の57にとどまった。アジア太平洋地域からの出展者は特に少なく、日本の他にマレーシアやシンガポールなど5団体のみの出展であった。来場者数は前年よりやや減少した印象だが、会期中、事前アポイントメントの商談の他、ウォークインバイヤーの方にもブースを訪れていただき、JNTOは約30件の商談を実施することができた。その多くが、インセンティブ旅行や企業ミーティングを手配する企業だったが、クライアントから日本について尋ねられる機会が増えており、日本への関心がさらに高まっているとの声が寄せられ、さらには今年度すでにインセンティブ旅行として数組、日本へ送客を行った等、嬉しい報告も聞くことができた。今後のさらなる誘致促進に向けて、有意義な情報交換の機会となった。
6月29日(日)から7月1日(火)には、ドイツ・ハンブルクで開催されたAssociation of Association Executives主催の「Association World Congress 2025」に参加した。本コングレスには、ヨーロッパを中心とした国際協会の幹部やPCO(Professional Congress Organizer:会議運営会社)、テクノロジー企業、会議施設の関係者、各地域のコンベンションビューローなどから計313名が集まった。JNTOは会期中に7件の商談を実施し、日本をMICEの目的地として紹介しつつ、多くの協会と有意義な意見交換を行うことができた。また、3日間にわたるプログラムでは、協会運営に関する戦略や財務、会員交流など多岐にわたるテーマで講義が行われたが、中でもAIに関する講義が増えており、教育やガバナンス、研究への応用などにおいて、AIの重要性が一層高まっていることが示された。また、多くの協会から、会員数を増やすことが重要であり、特に学生や若い専門家がより積極的に会議にかかわれる機会を増やすことが重要であるとの声が多く聞かれた。参加者同士のネットワーキングも活発に行われ、業界の最新動向を共有する貴重な場となった。
【米国市場】
JNTOロサンゼルス事務所は、6月18日(水)~20日(金)にミズーリ州セントルイスで開催された「MPI World Education Congress」に参加した。本イベントはMeeting Professionals International(ミーティングプランナー等のMICE専門家が加盟する国際団体)が主催するもので、基調講演・ブレイクアウトセッションへの参加やミーティングプランナー等とのネットワーキングを通じて、ミーティング及びイベント業界の最新動向を把握できるプログラム内容となっている。当日の会場には約1,900名が集まり、さらに300名がオンラインで参加した。
講演では、イベントデザイン、営業・マーケティング、経営層向けプログラム、テクノロジーとAIなど幅広いテーマが取り上げられた。市場動向としては、世界的な地政学的緊張や経済の不安定性が続く中、多くのミーティングプランナーが予算の停滞や人材不足、ROI(投資対効果)へのプレッシャーといった課題に直面している現状が共有された一方で、急速に進化するAIを活用したより効率的かつ効果的なイベント運営への期待も示された。
ミーティング・イベント業界のトレンドとしては、サステナビリティが依然として重要なテーマとされており、使い捨て用品の削減や炭酸水・フレーバー水も選べる給水ステーションの設置、地元産や植物由来食品の提供、余剰食品の寄付による廃棄物削減など、イベント運営における実践的な取り組み事例が紹介された。また、イベントデザインにおいて、飲食(F&B)が単なるサービスとしてではなく、参加者の体験価値を向上させる戦略的に重要な要素として評価されており、地元産食材を活用した視覚的にもインパクトのあるフードステーション形式での食事提供が好まれる傾向にあるほか、より健康的な選択肢の提供や、アレルギー・個人の食事制限への柔軟な対応の必要性が指摘された。一方、食品廃棄の問題、イベントスタッフの食事に関する知識不足、原材料や栄養情報提供の不足なども現状の課題として挙げられた。
ユニークで質の高いイベントへの需要が高まる中、「サステナビリティ」や「体験価値の向上」をキーワードに、効率的かつ効果的なイベント運営が一層求められている。当所としても米国からのミーティング・イベント開催の誘致に向けて、関係者との連携強化と継続的な情報発信に引き続き注力して参りたい。
【インド市場】
JNTOデリー事務所は、7月24日(木)~25日(金)の日程で開催されたインセンティブ商談会「MICE India and Luxury Travel (MILT) Congress」(以下、MILT)に参加した。本商談会はBtoBイベント企画大手のQnA Internationalが主催し、毎年インド国内の異なる都市で開催されている。今年はインド西部のゴア州で行われ、150以上のバイヤーと40以上のセラーが参加し、2日間で合計2,000以上の商談が実施された。
デリー事務所としては今年で4回目の参加となり、インセンティブ旅行を取り扱う旅行会社はもちろんのこと、インセンティブ旅行を主催する企業とのネットワークを構築・拡大する目的で毎年参加をしている。
2年前の質問で多かったのが「新しいデスティネーションを探しているが、日本は行きやすいか」という内容であったのに対し、昨年は「日本を具体的に検討しているが、どこに行くのがよいか」、「日本に行く予定が既に決まっているが、どのようなサポートを受けられるのか」等、既にインセンティブ旅行の目的地として日本を検討している企業が格段に多くなり、今年もサポートの質問が一部あったものの、ほとんどの商談相手から「何日必要か」「直行便は飛んでいるのか」「渡航はいつの季節がよいのか」「モデルルートの情報がほしい」という具体的な質問が多く寄せられた。なぜ日本なのかについては、周りで日本に行った知人がいることやSNSでの露出が増えていることなど、日本がトレンドになっていることが日本への関心を高めているということだった。
一方、多くの企業の催行実施経験は東南アジア、中東といったショートホールの2-4泊で、1人あたりの予算が少ないことから、選択肢にはあがっても、実際に日本が選ばれるかは簡単ではないと思慮する。提案時で都市が並べられた際には予算での勝負ではなく、現在のトレンドを強みに日本でしかできないコンテンツを発信することの重要性を感じた。 また、過去の日本へのインセンティブ旅行の反応がよかったので再度日本への旅行を検討しているという声もあり、日本へのインセンティブ旅行経験がない企業にはターゲットをVIPに絞るなど、小規模グループでの実績をつくってもらい、それを機に次回以降の違う部署や役職での再度の訪日(インセンティブ旅行やミーティング)を検討してもらうのも一つであると考える。
特に外資系企業では日本にも拠点がある社が多く、出張ベースでの行き来があり日本への理解がある、あるいはすでに日本へのインセンティブ旅行の実績があるといった企業も多い。インド南部にあるIT都市であるベンガルールに拠点があり、本社はアメリカにある企業に対しては、アメリカに直接行かず途中で数泊して日本を回ってもらうのもコストを抑えてインセンティブ旅行を実施できる一つの策であると伝えたところ、良い反応があった。 MILTへの他の出展者からも、直接主催企業と商談できるイベントがインドでは他にないことから、何度か参加しているとの声があるとおり、JNTOとしても主催企業とのコネクションを構築・インセンティブ旅行先の選択肢にまず挙げてもらえるきっかけをつくる場所として、MILTへの参加は意義があると考えている。また、セミナー会場で投影したJNTO制作の動画( https://www.youtube.com/watch?v=gAv1NuZchFk)を観て興味を持った、という声も複数人からいただいた。日本に対するイメージが富士山やテクノロジーというだけの担当者も少なくないことから、今後も企業の担当者へのアプローチや情報提供を継続的に実施することで、インドからの訪日インセンティブ旅行を1件でも多く催行に繋げていきたい。
MILT公式サイト: https://miltcongress.com/
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