お知らせ
2025年12月04日 MICE市場トピックス
海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。
本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。
【イタリア市場】
2025年10月14日(火)、MICE商談会「BUYMICE」がイタリア北部最大の都市ミラノのメリアホテルにて開催された。同イベントはイタリア国内ではMICEに特化した数少ない商談会となっており、セラーはイタリア国内の宿泊施設や自治体、欧州などの政府観光局が出展し、バイヤーは旅行会社の他、企業やインセンティブハウスなどが多数参加している。今回は、セラー71社、バイヤーは200名以上が参加した。
JNTOローマ事務所は、MICEデスティネーションとしての日本の認知を広め、訪日情報やMICE実施支援などの情報提供を行うと共にネットワーキングの構築に努めることを目的として同商談会に参加し、20件の商談を行った。商談は、事前のアポイント制ではなく、会場内に設置されたセラーデスクにバイヤーがウォークインで立ち寄り商談を行う自由実施スタイルで行われた。JNTOデスクには、絶えず列ができている状況で、主にインセンティブ旅行を扱う旅行会社やイベントプランナーなどが訪れた。全体としては、バイヤーによる日本への関心が非常に高く、インセンティブ旅行の目的地として提案したいというバイヤーが多くいた。また、訪日インセンティブ旅行の実績がある、あるいはすでに送客が決まっているケースなどもあった。
訪日インセンティブ旅行の実績がある場合は、6日間程度の東京-大阪-京都のゴールデンルートが主流となっているが、新たなモデルルートを知りたいといったリクエストや、地方も訪問できるような機会を設けたいといった意見があった。また、日本は文化の異なる特別なデスティネーションということもあり、どのような特別な体験ができるかといった質問も寄せられた。
レジャー目的の旅行先としては、日本の認知と関心は高い一方、インセンティブ旅行としては、ある程度の認知はなされており関心もあるものの、一般的な情報が不足していることから具体的な提案に至らないケースもあるようである。こうした状況を踏まえ、今後の取り組みとしては現地のMICE関係者との継続的なネットワークの強化を図りつつ、一般情報に加え、体験やユニークベニュー等の情報提供にも積極的に取り組んでいきたい。
【豪州市場】
JNTOシドニー事務所では、豪州の大手メディア企業が2026年に実施する営業成績優秀者約270名を対象としたインセンティブツアーについて、企業から候補地選定の委託を受けたプランナーに対する日本視察支援を実施した。この結果、香港、マレーシア、タイ、ベトナムと競合する中、当該ツアーの日本開催が決定した。
このツアーは毎年実施されており、長年手配を担当するMICE専門旅行会社がシドニー事務所をプランナーに紹介することで、今回の支援の実現に至った。視察後もプランナーに対してシドニー事務所から丁寧にフォローアップし、追加の情報提供などを行ったことから、誘致成功に導くことができた。
インセンティブツアーでは、企業のブランディング向上とビジネスパートナーとの関係性構築が主な目的とされており、特別な体験へのニーズが高く、ユニークベニューや個人旅行ではできない体験が求められる。この点日本は、豪州から見てアクセスが良く、さらに金継ぎや茶道体験・和紙づくりなど、日本ならではの伝統文化を体験できるアクティビティが豊富にあるという強みがある。豪州-日本間では東京発着の就航便が多数を占めていることから、豪州からのインセンティブ旅行においても、ゴールデンルートの人気が高い一方、春や秋の混雑期には、東京から国内線で約3時間程度の地方都市の紹介を希望する声がある。また、豪州市場では食への関心が高いため、地方都市をプロモーションする場合はヴィーガン対応やラグジュアリーな食体験を提供できる施設を紹介できると効果的かと考えられる。
シドニー事務所では今後も引き続き、インセンティブ旅行に係るキーパートナーとの関係構築を行うと共に、パートナーへの情報提供及び支援により、インセンティブ旅行の日本誘致を促進していく。
【韓国市場】
韓国市場のインセンティブ旅行では、手配形態に変化が見られている。観光を中心とした従来型の団体インセンティブ旅行が減少傾向に見えるが、これは企業、団体のインセンティブツアーの個別手配型の旅行が増えてきているという背景がある。
FIT化が進んでいる韓国市場では、近年インセンティブ旅行においても、自己手配可能な人数規模の場合は旅行会社を介さずオンラインなどで直接手配を行うケースも増えており、特に車両やガイドの手配を必要としない大都市圏にその傾向が見られる。行程を作成する際にAIを活用するケースもあったという。保険会社が開催する数十人~数百人単位のインセンティブ旅行は通常通りの旅行会社での手配作業が発生しているが、ネットワーク企業では社内の旅行管理体制が整い、旅行会社を利用しない傾向も増えている。
一方で、インセンティブ旅行実施企業のニーズは、企業訪問、専門的な技術視察(テクニカルビジット)、ボランティア活動や社会貢献などのテーマ性の高いプログラムなど、より専門性の高いものが増えている。しかしながら、これらは手配作業が煩雑なわりに手数料が発生しにくいので、日本の手配側(旅行会社やDMC等)にとっては収益性が低く、積極的に受けるところはまだ多くない傾向にある。ただし大規模インセンティブ旅行の場合は、依然として旅行会社を通した手配が主流となっている。
また、「日本側セラーと商談を行うと、ユニークベニューやテクニカルビジットなどをセールスされるが、提案されたコンテンツ以外の、その周辺の観光や体験要素の情報が不足している」という韓国バイヤーからの声も聞かれる。スポットで魅力的なコンテンツがあったとしても、線・面での包括的な提案がないと実際にその地域へインセンティブ旅行を誘致することは難しいため、モデルルートとしての提案をすること効果的である。
最近の韓国市場のインセンティブ旅行は、シンプルな行程であれば自社手配で完結する傾向がある一方、より専門性の高い手配のニーズが高まっている。また地方においては、単一の観光資源ではなく、地域連携による広域的な商品開発が今後の課題である。韓国市場へのセールスや、商談会に参加される際は、このような成熟市場の特性を理解いただき、それに適した専門的な提案を行っていただくことが望ましい。
転載禁止(©JNTO)
<JNTO担当部署> MICEプロモーション部
TEL:03-5369-6015 E-mail:convention@jnto.go.jp

