ここが知りたいコンベンション立候補にあたっての情報収集について
立候補にあたっての情報収集について
主催者の皆様にとって日本でコンベンションを開催することは、国際社会における主催団体の地位向上だけでなく、加盟会員の増加、さらには、若手研究員の育 成にも貢献することとなります。このコーナーでは、立候補や開催準備に関する皆様にお役に立つ知識を採り上げていきます。今回は、誘致成功に欠かせない 「立候補にあたっての情報収集」についてです。
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1.「決定プロセスの情報」
国際会議の開催地がどのようなプロセスを経て、誰によってどう決定されるのか、 明確に把握しておくことが重要です。それによって、主催者の皆様のアプローチの仕方も異なってくるからです。 「国際組織の理事会で決定するのか」、「総会で決定するのか」、 「理事会で決定し、総会で再度承認するのか」、「会長や事務総長が事実上の決定権を持っていて、 理事会や総会は承認するだけなのか」、など、決定プロセスには様々なケースが想定されます。
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2.「ディシジョンメーカー(会議開催地決定権者)の情報」
立候補する上で、ディシジョンメーカー(会議開催地決定権者)の情報を入手することはきわめて重要となります。 ディシジョンメーカーの嗜好に沿った立候補の仕方をすれば、それだけ誘致成功の可能性も高まります。
具体的には、ディシジョンメーカーの「氏名」、「メールアドレス」、「経歴」等はもちろん、 ディシジョンメーカーが多数存在する場合には、「競合国に近いのは誰か」、「日本に好意的なメンバーは誰か」、 「日本に好意的でないのは誰か」などを把握することが大切です。 -
3.「過去の開催地の主催者からの情報」
過去の開催地、特に前回大会の情報を入手できれば、立候補の際に「前回大会の仕様をクリアできているか」確認することができ、 また、「日本で開催するメリット」を打ち出すことができます。具体的には、「予算と決算」、「プログラム」、 「タイムテーブル(準備スケジュール)」、 「主要な印刷物(サーキュラー、論文集等)」、 「参加者の人数と国別男女別内訳」、「立候補をした際のビッドペーパー」、「開催地として選ばれた理由」等の情報を入手すると良いでしょう。
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4.「競合国の情報」
できます。例えば、競合国の弱点として、交通渋滞が挙げられるとしたら、 それに対比する点を強調してビッドペーパーを作成すれば、ディシジョンメーカーに対してインパクトを与えることができます。 具体的には、「相手国が候補地として挙げている都市、会場、ホテルの情報」、「主催団体の歴史、会員数」、 「相手国の自然環境、治安、気候、物価」等の情報が必要となってきます。 JNTOは、海外にも事務所を設置しており、スタッフが常駐しております。競合国の情報で協力できることがあれば、 いつでもご相談下さい。
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5.「類似国際会議の情報」
実際に会議を行う際、競合会議に参加者を奪われないように、 類似の国際会議が同時期に日本もしくは近隣アジア諸国で開催される予定があるかどうか把握しておく必要があります。 立候補の際の開催年月日の決定をする際に考慮する必要があります。
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6.「国際会議の開催条件の情報」
会議の開催地を決定する際に、ディシジョンメーカーが候補国、都市、会議施設等に関し、 具体的にどのような項目についてチェックするのか知っておく必要があります。 それによってビッドペーパーでの強調すべき項目も異なってくるからです。会議の本部がアメリカに在る場合には、 「Request for Proposal」、また、ヨーロッパの場合は、「Congress Guidelines」のような名称で、 開催条件を公開していることがあるので、本部にまずお問い合わせをされると良いでしょう。
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7.「国際本部と受け入れ団体との役割分担の情報」
日本で開催する際の実際の受け入れ団体が担うべき仕事がどこまでになるのかについては、ビッドペーパーを作成する際に、 すでに把握しておいたほうが良いでしょう。
(国際会議誘致マニュアルより)