ここが知りたいコンベンション「登録の際のクレーム処理」について

「登録の際のクレーム処理」について

このコーナーでは、国際会議の準備・運営に必要な情報をお届けします。今回は、会議登録の際に起こりうるクレームに対する処理について解説します。

  • 1. クレーム処理

    登録デスクは会議の窓口でもあるので、広範囲にわたる質問やクレームを受けるが、登録デスクはあくまでも登録にかかわる作業をする場所なので、登録関係以外のクレーム等が発生した場合は、クレーム対応に追われて本来業務が疎かにならないように、速やかに事務局に連絡して事務局から各担当者に連絡して対応することが肝要である。会議全般において準備が不十分で、さまざまなクレームが多数出ることが予想される場合は、クレームを受ける専用のデスク(トラブルシューティング)なども考えたほうが良い。

    登録デスクにおいて予想されるクレームは、

    • 1-1. 登録用紙を送ったのに、登録確認証が届いていない。

      原因
      • 入金が確認できなかったため、確認証が送れなかった。
      • 送ったが、行き違いになってしまった。
      • 登録していただいた情報が不十分だったために、いろいろなところへ転送されてしまった。等
      対策 登録用紙が事務局に届いていれば事前登録者リストにあるので、基本的には事前登録デスクで処理する。登録用紙が事務局に到着していて未入金であれば、会計デスクで支払ってもらい、必要な資料を渡す。登録用紙が事務局に届いており、既に入金済みの場合は、事前登録デスクで所定の手続きを行う。
    • 1-2. 入金したはずなのに、入金されたことになっていない。

      原因
      • 振込み人と登録者の名前が一致していないため、突合せができず、不明入金として残った。
      • 直前に振り込まれたため、入金確認が間に合わなかった。
      • 参加者が所属団体から支払ってもらっている場合、所属団体の振込み手続きが遅れている。
      対策 現場で確認がすぐできない場合は、登録者に念書(入金の確認ができなかった場合、当該金額を支払う旨の誓約書)を記入してもらい、会議後にも入金が確認できない場合は追跡して入金してもらう。
    • 1-3. コングレスバッグが壊れた。

      原因
      • 制作時点で不備があった。
      • 参加者の理由によるもの(乱暴に扱ったなど)。
      対策 数に余裕があれば、参加登録者であることを確認した上で不備のないものと取り替える。
    • 1-4. ネームカードの表記が間違っている。

      原因
      • 事務局の間違い
      • 本人の登録用紙記入間違い
      対策 参加者から送られてきた登録用紙で間違いの原因を確認したうえ、作成し直したものを渡す。コンピューターとプリンターがあればすぐに作り直せるが、用意がない場合は手書きになることを納得してもらう。
    • 1-5. 本人が招待(登録料免除)だと言い張る

      原因
      • 原因 ・事務局でのリストアップ漏れ
      • 本人による誤解
      対策 招待者(登録料免除者)リストで確認し、名前がない場合は速やかに事務局に連絡し、責任者が対応する。デスクの傍らでもめない。
  • 2. 配布物

    • 2-1. 個人封筒

      登録者が少ない場合は、ネームカードをデスクの上に決まった順番(多くは氏名の“あいうえお”、“アルファベット”順)で並べるのもひとつの方法である が、ネームカードのほかにも個別に渡したいチケットやメッセージがある場合は、封筒(個人封筒)に入れて、登録番号順や名前のアルファベット順などの規則 性のある順番で並べておくと、あちらこちら探す必要もなくチケットなどの渡し漏れもない。デスクの上に封筒が残っているか否かで、到着しているかどうか一 目で分かる利点もある。一般的に個人封筒に入れるものは以下の通り。

      • ネームカード
      • 個人宛メッセージ(クローズドのパーティー招待状等)
      • 役割がある方へのインストラクション
      • ツアーなどのチケット類
      • その他

      これらのものは全て事前に封入を済ませておく。封入の際は、当日の混乱をさけるためにもまちがいのないよう細心の注意を払うことが肝要である。

    • 2-2. コングレスキット(コングレスバッグ)

      個人封筒に対して、会議参加者へ共通に渡すものは全てコングレスバッグに封入して、登録者であれば名前などを確認することなく、自動的に渡せるようにして おく。登録デスクの混雑を避けるため、バッグデスクなどを別に設けて、引き換えチケットと引き換えに渡す場合もある。一般的にコングレスバッグに入れるも のは以下の通り。

      • プログラム
      • 参加者リスト
      • 会議資料集〔抄録集(Abstracts)、論文集(Proceedings)など〕
      • パーティー招待状(登録者は誰でも参加できるもの)
      • ガイドマップ
      • シャトルバススケジュール
      • 筆記具、レポート用紙、記念品など
      • その他

      これらを封入する作業は単純作業で容易と思われ後回しにされがちだが、参加者数や封入物の点数、バッグの大きさなどにより作業スペースや所要時間が変わってくるので、事前にバッグ詰め計画はきちんと立てておくことが望ましい。参加者が会議に来て初めてもらうものなので、印象を悪くしないためにも不備の無いように準備しておく。

  • 3. 要員

    会期中の登録人数は、開会式直前が最も多くなる。この混乱をできるだけ避けるため、又開会式前夜にウェルカムパーティーなどを行なう場合が多いの で、前日にも登録を行なう場合もある。ほとんどの場合、二日目ぐらいで大半の登録は済んでしまうが、会期の最終日まで登録に来る参加者もいるので、会期中 の登録受付デスクは、日を追うに従って、機能を縮小しながらも設置しておくほうが望ましい。要員は、そのような事情によって必要数を調達する。食事や休憩 の交代要員も員数に入れる。
    外国人の登録者に対する説明は原則英語で行なうことになるので、海外からの参加者にあわせ て、英語ができる要員を調達することが必要である。英語圏ではない国の参加者が多い場合は、当該言語ができる要員を調達することが望ましい。特にインフォ メーションデスク要員は、さまざまなことについて問い合わせがあるので、語学についてはある程度のレベルが必要である。また、登録デスクでは当日は現金を 扱うことになり、登録料の取扱には十分な注意が必要であるので、しっかりした担当者をおく必要がある。

※詳細は「国際会議マニュアル」に詳細が記されています。ご希望の方はご連絡下さい。

関連するページ