主催者の皆様にとって日本でコンベンションを開催することは、国際社会における主催団体の地位向上だけでなく、加盟会員の増加、さらには、若手研究員の育成にも貢献することになります。このコーナーでは、 前回に引き続き、「立候補にあたっての提案書類(ビッドペーパー)の作成ポイントとは?(2)」(後編)をご案内します。それではまず、ビッドペーパーについてのおさらい をいたしましょう。
ビッドペーパーとは、国際コンベンションの開催国及び開催都市選定に当たって、 理事会等で比較検討される極めて重要な書類で、その出来具合により開催地選定が大きく左右されるため作成にあたり万全を期す必要があります。そのため、ま ずはビッドペーパーの外観や体裁に注意を払い、表紙デザイン、 色、印刷、写真、編集レイアウト、英語表記等、ビッドペーパーを見る側の立場になって、見やすい資料作りを心がけましょう。特に、英語表記を行う際は、必 ずネイティブチェックをし、 スペルミス等が無いようにすることが肝要です。 「何故、日本(あるいは都市)で国際コンベンションを開催するのが相応しいか」という理由をデータと実例を使って、 わかりやすく、且つインパクトのある形で作成することが必要ですが、ビッドペーパーに盛り込むべき内容として前回は、「招請状」「なぜ日本(開催都市)なのか?」「プログラム」「ホテル・宿泊施設」「交通手段」についてお話しました。今回はそのほかに盛り込むべきものについてご案内しましょう。
すでに特定のPCOに頼むことが決定している場合には、PCOの名称・住所・連絡先・過去の実績・所属する関連協会名などをビッドペーパーの中で紹介し、 特に決まっていない場合には、IAPCO(International Association of Professional Congress Organizers)などに加盟しているPCOの名称を紹介するとよいでしょう。
参加者数予測の根拠となるもの:
寄附目標額を達成できるのか:
過去のある大学の調査によれば、国際会議への参加決定理由の上位3つとして「開催地」「スピーカー」「プログラム」があげられています。従って、これら3つの情報を効果的に盛り込み、綿密なプロモーション計画を作成するとともに、それを実効することにより、十分な会議参加者が確保可能であることを説明します。また、サーキュラーやアナウンスメントの発送、ウェブサイトにおける充実した情報の発信、関連会議におけるプロモーション活動等を具体的に示し、説得 力のある説明を行いましょう。
立候補の段階では「準備委員会」を中心に活動し、開催決定後に主催受入団体として、「組織(運営)委員会」や「国内母体団体(日本○○学会、△△協会など)」が設置されることとなります。組織委員会組織図は概ね下記のようになります。
天候、ビザ(査証)、銀行(キャッシング)、ショッピングなどの情報についても盛り込みましょう。
ビザについては外務省による最新の情報をチェックし、銀行の営業時間とともに、海外のクレジットカードからの換金場所等、便利なことを強調しましょう。また、ショッピングについても、大半の店が日・祝日も営業していることや、24時間営業のコンビニエンスストアが数多くあることなども具体的に表現するとよいでしょう。