会議開催のディシジョンメーカーに会い、日本で会議を開催することの熱意を伝えることは、国際会議を誘致する上で大変重 要です。もし、ディシジョンメーカーに直接会って要望や批判を聞くことができれば、それらを反映させたより精度の高いビッドペーパー(立候補提案書)も作成でき、誘致成功の可能性も上がります。
しかしながら、ロビー活動は日本人が得意としない分野と言われており、ロビイストとしてうまく活動できなくては、この点で他国に大きく水をあけられてしまうことになってしまいます。
海外出張をする際に連絡をとったり、予算が許す場合には直接ディシジョンメーカーに会いに行きましょう。
熱意が相手を動かします。皆様が日本で開催したいという気持ちを存分にディシジョンメーカーに伝えましょう。
国際社会ではクイックレスポンスが非常に重要です。すぐには答えられないことでも、できるだけ早く対応する努力をしましょう。例えば、日本では回答に2週間を要し、他方、他の競合国が1日で返答したとしたら印象はどうでしょうか。「誘致成功」か「誘致失敗」かは、意外に小さなことが決定的な要因となるもの です。
前例が無いという理由で「ノー」と言う前に、何かできることは無いのか冷静に考えましょう。例えば、過去に事例のない新たな経費負担を求められた場合、すぐに「ノー」の返答をする前に他のメンバーとも相談して、「イエス」の可能性を探るなど、過去にとらわれず、あくまでも前向きに考えることです。
前回大会や関連会議の開催されている会場の一角にPRブースを設け、日本(国)や開催地(都市)、会場施設紹介のパンフレットやギブアウェイを参加者に配 布することで、日本で開催することのメリットを十分に広報しましょう。もちろん、配布する印刷物は日本語ではなく外国語(とりあえずは英語)のものを用意 しましょう。日本紹介のポスターや冊子等、JNTOでご協力できることもありますので、是非ご相談下さい。
日本開催への熱意・意欲と日本開催のメリットを示す手紙や、開催都市の魅力を紹介したパンフレットを事前に投票権保有者に配布し、PRに努めましょう。しかしながら、どのようなタイミングで、何を、誰に対して配布するのかは、慎重に分析、検討することが必要です。
予算があれば、開催地決定前にディシジョンメーカーや投票権保有者を「日本の夕べ」などのレセプションや説明会に招待し日本をアピールしましょう。PRビ デオ、食事や歓談を楽しんでもらい、彼らとコミュニケーションを図ることで「日本支持者」を増やしましょう。また、大きな会議の誘致では、現地の日本大使 館の代表を招き、支援を呼びかけてもらうことも効果的でしょう。
どんなに素晴らしいビッドペーパー(立候補書類)を作成したとしても、熱意が伝わらなければ書類の効果は半減してしまいます。是非、上記をご参考にしてロビー活動を実践してみて下さい。また、何かご不明な点やロビー活動をする上で心配な点等ありましたらいつでもお気軽にJNTOにご相談下さい。