伊藤 公平 様
国際会議主催者の生の声をお伝えするコーナー・今回は2015年8月に高松市で開催された「シリコン量子エレクトロニクスワークショップ2015」(以下、SiQubit)と「ダイヤモンド量子センシングワークショップ2015」(以下、DQSW)で大会長を務められた慶應義塾大学 理工学部長・理工学研究科委員長の伊藤公平氏に、大都市以外で国際会議を行う意義等について、お聞きしました。
会議正式名称 | シリコン量子エレクトロニクスワークショップ2015 Silicon Quantum Electronics Workshop 2015(SiQubit) |
---|---|
開催期間 | 2015年8月3日~8月4日 |
開催都市/会場 | 高松 / かがわ国際会議場 |
参加者数 | 130名(海外からの参加者数:95名) |
ウェブサイト | https://www.appi.keio.ac.jp/Itoh_group/SiQubit/html/home.html |
会議正式名称 | ダイヤモンド量子センシングワークショップ2015 Diamond Quantum Sensing Workshop 2015(DQSW) |
---|---|
開催期間 | 2015年8月5日~2015年8月7日 |
開催都市/会場 | 高松 / かがわ国際会議場 |
参加者数 | 約110名(海外からの参加者数:約40名) |
ウェブサイト | https://www.appi.keio.ac.jp/Itoh_group/DiamondNV/html/home.html |
SiQubitは毎年開催されており、今回は委員会での話し合いで開催国が決定しました。一方DQSWは、今まで定期的には開催されていませんでしたが、SiQubit、DQSW両方共に私が議長だったこともあり、日本で同時に開催することにしました。 以前6th International School and Conference on Spintronics and Quantum Information Technology (Spintech 6)を松江で開催したことがありました。出雲大社のみならず様々な大社があり、宍道湖も素敵で日本の伝統として外国人に受ける都市ですが、今回のSiQubitと参加者が被るため、同じ場所で開催するわけにもいかず悩んでいたところ、松江コンベンションビューローの方から高松という地名を聞き、直島が香川県にあることは知っていたので、興味を持ったことがきっかけでした。
我々の国際会議の開催地としてどうか?情報を集めてみると、讃岐うどん等、風土に育まれた「食」、こんぴらさん等の歴史ある「文化」、直島等の新しい「文化」、また高松空港からのアクセスがよくとても魅力的な都市だと感じました。開催地として決定に至るまでには、高松観光コンベンションビューローの視察受入制度を利用し、現地の下見も実施しましたが、会場や観光の情報を丁寧に説明してくれたので、高松をより理解し、参加者への開催地紹介にも役立てることができました。
費用については、SiQubitは参加費で開催費用を全て賄いましたが、DQSWについては、自然科学分野で外国人研究者が参加する会議を開催する時に経費の援助を申請できる、公益財団法人藤原科学財団の事業を活用しました。また、香川県および高松観光コンベンション・ビューローの国際会議助成制度も利用しました。
午前の会議終了後、貸し切りフェリーにて直島へ向かいました。島内では、3グループに分かれ、事前に手配したバスで、地中美術館やベネッセハウス、家プロジェクトを順に回り、現代アートの作品を堪能しました。帰りのフェリーでは、瀬戸内海に沈みゆく夕陽を眺めながら、ゆったりと流れる時間を過ごすことができました。島内に点在するアート作品と自然が融合した直島でのエクスカーションは、参加者に大変満足いただけるプログラムとなりました。