誘致・開催レポート

「第11回言語リソースと評価に関する会議(LREC2018)」を開催して

豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター教授 井佐原 均 MICEアンバサダー

国際会議主催者の生の声をお伝えするコーナー。今回は2018年5月に宮崎市で開催された「第11回言語リソースと評価に関する会議」を主催された豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター教授の井佐原均教授にお話を伺いました。井佐原教授は、2015年よりMICEアンバサダーとして広くご活躍いただいております。

「言語リソースと評価に関する会議」は今回初めて欧州以外で開催されました。会議は宮崎シーガイアコンベンションセンターで開催され、世界各国からの参加者が集まり、活発な議論が行われました。またウェルカムパーティーは宮崎神宮の参道にて行われ、参加者は宮崎の豊かな自然、食、気候を満喫しながら、日本ならではの体験と互いの交流を楽しみ、会議は大盛況のうちに終了しました。

「第11回言語リソースと評価に関する会議(LREC2018)」を開催して

会議概要

会議正式名称 第11回言語リソースと評価に関する会議
11th edition of the Language Resources and Evaluation Conference - 2018(LREC2018)
開催期間 2018年5月7日~2018年5月12日
開催都市/会場 宮崎 / シーガイアコンベンションセンター
参加者数 1,149名
ウェブサイト http://lrec2018.lrec-conf.org/en/

今回開催地が日本となった経緯を教えてください

今回開催地が日本となった経緯を教えてください

過去10回の会議全てヨーロッパで開催されており、国際本部には他の地域でも開催したいという意向がありました。そんな中、私の元にアジアで開催できる可能性があるかという打診が来て、これは日本で開催する絶好の機会であると捉えました。
外国の方の中には、日本は欧米から遠く、物価も高いと言われる方もいます。しかし、私はそうは思いません。航空便も世界各国からの直行便があり、また日本のほとんどの都市に羽田からの直行便があります。また廉価なホテルであっても、清潔で居心地が良く、セーフティロック等の設備も整っています。更に、会議施設も非常に良く、Wi-fiはどこでも入ります。日本人はシャイではありますが、一度コミュニケーションを取れば、外国の方を何とかお手伝いしようとする、おもてなしの精神があります。
このような理由から、日本は国際会議を開催するには最適の国であると思っており、日本で開催することを決めました。

今回、会議を開催してみていかがでしたか?

今回、会議を開催してみていかがでしたか?

準備段階では、開催都市である宮崎の関係者のチームワークが非常に良く、準備がスムーズに進みました。一人の方が窓口となり、ホテルから、会議センター、会議の見学、交通手段、あらゆることを聞くことができ、まさに「ワンストップ」の体制でした。
また、実際に開催してみて、参加者からの評判は非常に良かったです。会議センターはゆったりとしてポスターセッションにも十分なスペースがあり、使い勝手が良かったです。またウェルカムレセプションを宮崎神宮で行い、日本ならではの雰囲気を味わっていただきました。こちらも非常に良い経験で素晴らしかったと参加者から好評でした。このような言葉を聞くと、会議を開催することのやりがいを感じますし、次へのモチベーションにもなりますね。

国際会議を日本で行う意義を教えてください

国際会議を日本で行う意義を教えてください

LRECは私達の分野で最も大規模な国際会議の一つです。世界各国から沢山の人が訪れ、今回は63か国から約1200名が集まりました。それぞれが独自の文化、言葉を持ち、日本に来れば自らの文化と異なる、日本の文化、日本語を体験できます。日本人も、他の文化に触れることで刺激を受けます。お互いの国の参加者にとって非常に有意義な機会です。
また、学術的な観点でも非常に意義のあることです。自然言語処理の分野において、日本は長い歴史があり、現在も多くの研究者がいます。私が若い頃は、主要な国際会議が日本で開催され、気軽に国際会議に参加することができました。しかし近年は他国の研究の発展に伴い、他のアジア諸国で開催されることも増えてきました。
そのような中、日本で大規模な会議が開催されれば、国内の若い研究者も容易に参加でき、世界中の研究者とコミュニケーションを取り、学ぶことのできる非常に良い機会になります。

今後会議の誘致や開催を予定されている方に、メッセージをお願いします

今後会議の誘致や開催を予定されている方に、メッセージをお願いします

是非開催してください。良い経験になるでしょうし、とても楽しいですよ。国際会議は、参加者にとって人生を変える経験の一つだと思います。しかしそれだけではなく、主催者にとっては更に貴重な経験になります。多くの人と関わり、語る中で、新しいコラボレーションが生まれます。誰かの役に立つだけではなく、自分自身の糧にもなる本当に素晴らしい経験です。
会議の誘致・開催におけるポイントを一つ挙げるならば、サポートしてくれる信頼できる人々がいて、良い施設があるロケーションを見つけることが重要です。会議に合った適切な場所を選べば、その会議はきっと成功するでしょう。

会議の様子

カンファレンス

レセプション

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