インセンティブ旅行の誘致、決定までの流れ、プロモーションのポイントをご紹介します。

① 海外MICE見本市とファムトリップで心掴む

(公財)福岡観光コンベンションビューロー Meeting Place Fukuoka
 セールス&マーケティング 国際MICE担当 中上朗子さん

MICEのマーケティング・マネジメントに関するワンストップ機能を担う組織Meeting Place Fukuoka を立ち上げ、「世界No.1のおもてなし都市・福岡」の実現をめざし、行政と民間企業が一緒になって進めている、福岡コンベンションビューローの中上さんにお話をうかがいました。

インセンティブ旅行の誘致は、海外からの引合いを待つだけでなく、候補地にリストアップされるように、こちらから積極的にアプローチをすることができるのが、一般観光との違いです。

誘致活動の効率を考えると、日系企業の海外法人など可能性が高い企業をのぞき、主催企業へ直接アプローチするよりも、複数の案件をもっている海外の旅行会社やインセンティブハウスにアプローチすることが多いです。彼らとコンタクトするには、海外MICE見本市への参加がもっとも効果が高いと考えています。観光全体の見本市もありますが、BtoCのプロモーションとはルートや対象が違うことがありますし、MICE見本市には具体的な案件をもって参加する方が多いので、結果に結びつきやすいです。2018年には、フランクフルト、バンコク、シンガポールのMICE見本市に出展しました。また、日本政府観光局(JNTO)が海外で開催するMICE商談会(セミナー)も効果が大きいので積極的に参加しています。


MICE見本市での出展の様子

知り合った海外のMICE企業とは、継続的にコンタクトを取ることが重要です。海外MICE見本市に参加するときには、必ず連絡をしてブースに来てもらうようにはたらきかけています。

また、日本でインセンティブ旅行開催を具体的に検討している段階で効果が高いのがファムトリップの実施です。開催地の決定権をもっている企業・団体の方や、案件をもっている旅行会社の方を日本にご招待して、会場の下見やプログラムを体験してもらいます。カタログや動画では、おもてなし・ホスピタリティの品質というインセンティブ旅行に大切なものが十分に伝わりづらいため、実際に体験してもらうことが一番です。例えば、柳川市の川下りと食事のおもてなしは、ファムトリップでその心温まる対応の評判が高く、よくプログラムに取り入れられています。

ファムトリップは招待客の旅費から宿泊費、飲食代など全てこちらが負担するので多くの費用がかかります。そこで、欧米など遠方から招待する場合、東アジアなどで開催するMICE見本市の参加者を招待したり、九州広域連携で実施し経費や人員を分担したりと工夫しています。インセンティブ旅行は国際会議よりもあちこちに移動することも多いので、広域連携は効果的です。

ファムトリップの実施には受入側の協力体制も重要ですので、いずれ大きなグループの誘致につながる販促の機会だとご理解してもらい、最上級のおもてなしをしていただくような協力体制をつくっています。