インセンティブ旅行の誘致、決定までの流れ、プロモーションのポイントをご紹介します。

④ あたたかい人のつながりとわかりやすさを

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 受入事業部 MICE推進課 課長 上地公代

国内のコンベンション・ビューローの多くが、国際会議中心のMICE誘致・受入体制整備を進めるなか、早くからインセンティブ旅行の開発に注力してきた沖縄。その取組みや地元企業との協力体制づくりについて、沖縄観光コンベンションビューローの上地さんにお話を伺いました。

沖縄がMICEへ本格的に取り組んだのは、2008年のこと。全国ではじめて、“MICE”という言葉を事業名に取り入れました。観光庁策定のJapan MICE Yearに先立つこと2年と、早い時期にスタートを切れたのは、それまでにもすでに、豊富な観光資源を活かして多くの企業の社員旅行や報奨旅行を開催していただいていたこと、DMC沖縄の存在などのMICEのなかでもインセンティブ旅行の受入れ環境が整っていたこともありますが、地元の事業者の皆さんがこれを新たなビジネスチャンスととらえ、積極的に取り組んでいただいたことが最も大きな要因だと考えています。

現在は毎回多くの観光・MICE関係者が集まる沖縄MICEプロジェクトも、最初は予算も多くなく、沖縄観光コンベンションビューローの自主事業として「沖縄MICEコンテンツトレードショー」をスタート。協力いただいた地元事業者との手づくりでの立ち上げという感じでした。地元の企業同士のコラボレーションやMICE取組みの機運を醸成する最初のステップと考えていました。


沖縄MICEプロジェクト・商談会の様子

それが国内でのMICE取組み先進的事例として注目され、2回目の開催からは県からの予算がつき、国内外の旅行会社やMICE関連団体をバイヤーとしてご招待できるようになりました。そこで、沖縄の最新のMICEコンテンツや施設を視察・体験し、商談を行うという今のスタイルが定着しました。やはり各事業者さんが独自に国内外の主催者にアプローチをかけるのは大変ですので、間を取り持つ旅行会社やPCOのご協力は欠かせません。また、MPI Japanの会長を務められていた故浅井信介さんとのご縁により、国際的MICE人脈とつながりをつくっていただいたこともその後に大きく影響しました。

併せて東京でも旅行会社やミーティングプランナー、PCOを対象に、県内事業者とマッチングする「沖縄MICEコンテンツ商談会」を実施、MICEという新しい切り口で見た沖縄をセミナーと県内事業者のブース出展でアピールしました。これは現在にも続き、2018年度は韓国、台湾、香港、大阪、東京の5か所で「沖縄MICEセミナー&商談会」を実施しています。
MICEコンテンツの充実には、沖縄独特の“ゆいまーる”という相互扶助のしきたりが一役かっています。例えば沖縄MICEコンテンツコンテストで県知事賞を受賞した、ガンガラーの谷の(株)南都さんには、県内事業者向けセミナー講師を務めていただき、自社のプログラムの向上だけでなく、ユニークべニュー活用のノウハウやプログラムのアドバイスなど大変な苦労をして得た工夫や利用者からのフィードバックを、他の事業者さんにも共有していただいています。インセンティブ旅行はMICEのなかでも多くの場所を訪れるということもあり、事業者が個々に活動するだけではなく、一緒に沖縄MICEのコンテンツの魅力を高めていただく取組みが大きな力になっています。


ガンガラーの谷 レセプションパーティー

2018年5月に策定した沖縄MICEブランドでは、 “Where inspiration meets “というタグラインで「ひらめきや創造性と出会える場所」を提起し、対話による湧き出すインスピレーション、繋がるアイディアが「新たな価値」を想像することを、MICE4分野と琉球弧の島々を想起させる4つの吹き出しにシンボリックに重ね合わせたデザインで表現しました。

2018年末には、プロモーション動画「OKINAWA MICE PLAYER'S Lip-Dub」を公開。MICE主催者とサポートする地元企業の皆さんの姿を描き、「うとぅいむち(おもてなし)」の心で沖縄のMICEプレイヤーの一体感を演出しています。

MICEが人と人とのつながりの機会創出であるように、MICEの振興も多くの人々が繋がって初めて実現するものです。そのためには、非日常的な空間の中で参加者の絆を深め、さらなる発展へ思いを導くことができる沖縄MICEの魅力を、沖縄にいる私たちひとりひとりが正しく認識し、世界中の人たちにわかりやすく伝えることが大切だと考えています。