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2023年01月30日 MICE市場トピックス(1月)

毎月、海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。

① MICE関連の旅行会社や関係団体の動向
② MICE関連の訪日意欲の有無・変化
③ 現地でのイベント開催の有無とその感染症対策
④ その他の特記すべきトピックス、ニュース  (特筆する情報がない場合は、当該番号に「なし」と記載しています。)

本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。※2022年12月末時点の情報です。

【韓国市場】

① 海外インセンティブ市場が大きく回復している。保険、ネットワーク会社の大型インセンティブツアーの場合、東南アジアのリゾートを中心に開催されているが、2023年3月以降、日本で開催予定または検討中の大型インセンティブツアーが現れ始めている。しかし、航空座席数が戻ってないため、インセンティブ需要を吸収しきれず、特に大型インセンティブツアー誘致の足を引っ張る要因となっている。
また、日本では2022年10月に国際往来が再開されて以降、九州、大阪を中心にインセンティブツアーが開催されてきたが、現在はこの地域以外にも東京、北海道、沖縄、名古屋など目的地の広がりがみられる。
② なし
③ 韓国内のソーシャルディスタンス全面解除以後初めての冬を迎え、新型コロナウイルス感染症の再拡散と梨泰院の転倒事故の余波で祭りを取り消した地域もあるが、3年ぶりに再開する冬祭りも多い。そのうち、第14回を迎える2022ソウルランタン祭りは、初めて光化門広場で開かれ、開場2週間で累積訪問者69万人を達成した。これを受け、ソウル市は2022年12月31日に予定されていた終了日を2023年1月24日までに延長することにした。また、ソウルランタン祭りと共に開かれている「光化門広場マーケット」には小商工(零細企業や自営業者など)50社余りが参加した。ソウル観光財団が主催するソウルランタン祭りには、2022年12月に数十万人の人が集まったにもかかわらず、いかなる事故も発生せず、安全事故などに対応するための安全要員を多数確保した。 新型コロナウイルス感染症対策のための規制は別途なく、現場には専門救急隊員と救急車が常時待機し、警察、消防などの関係機関と協力できるようホットラインを運営して非常事態に対処する予定である。
④ なし

【フランス市場】

① フランス政府は、CO2を含む温室効果ガス排出削減を目的とした新法律において、2時間30分以内に列車で移動できる場合、フランス国内の航空便を廃止することを認めた。この措置は3年後に再検討され、その際には乗り継ぎ便も対象となる予定である。フランス政府は、欧州委員会の検証を経て、国民と国務院に諮問した後にこれを採択する予定である。
ウクライナ戦争のため日本へのフライトを停止していたフィンエアーは、シベリアを避けた新しいルートでの復便を2023年に予定している。現在就航中の羽田空港への定期便に加え、成田空港へは週に4便、関西空港へは週に3便を運航させる予定。
② 2022年12月に入り、フランス、ベルギー、スイスでの新型コロナウイルス感染者数は減少傾向にある。しかし、インフルエンザの感染者は昨年の12月よりも多く、今年はより感染力の強いウイルスであることが分かっている。各国の安全衛生政策に大きな変化はない。これら3カ国において4回目のコロナワクチンを受けた人の割合は依然として低いままである。
③ 2022年11月、ルクセンブルクで世界的に有名なガストロノミーフェア「Expogast」と並行して、トップレベルのシェフトーナメント「Villeroy & Boch Culinary World Cup」が開催された。ルクセンブルクで4年に一度開催されるExpogastは5日間で3万人の来場者を集めた。ワールドカップには、日本を含む55カ国から75チームが参加し、150人以上のジャーナリストが取材に訪れた。
④ フランス政府は、安全上の理由から、パリでオリンピック・パラリンピックが開催される2024年に大規模な文化、スポーツイベントを許可しないことを発表した。これは、治安部隊のほとんどがオリンピック・パラリンピックに動員されるため、他の大規模イベントの安全確保に手が回らなくなるためである。

【中国市場】

① 2023年1月8日より、入国時の隔離及び検査が廃止となり、訪日旅行を含む海外旅行への期待は高まっていると思われる一方で、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大によりまだ先行き不透明なため、具体的な変化や動きはまだ見られない。また、中国国民の出境旅行の秩序だった再開に向け、旅行を目的としたパスポートの新規発行、更新手続きを再開予定である。このように大きな緩和の動きが見られたが、一方で、日本側が水際対策の強化を行っていることや、中国文化旅遊部の現地旅行会社に対する出境旅行の団体旅行及び航空券・ホテルのパッケージ商品の手配禁止指示は継続されていることから、引き続き状況の注視が必要である。
② なし
③ 2022年11月後半以降、新型コロナウイルス感染者が増加し、防疫措置も強化されていたが、2022年12月中旬より急激に防疫措置緩和の動きが進んだ。2022年12月27日の中国国務院の発表で新型コロナウイルの法定分類をペストやコレラが分類されるこれまでの“乙類甲管”から、エイズやSARSなどと同等の“乙類乙管”へ引き下げた。また、中国入国時の指定施設での集中隔離の廃止に加え、航空便の運航便数制限も撤廃された。
・2022年12月7日に防疫対策”新十条”が発表され、移動・行動制限が大幅に緩和された。これにより広州国際モーター
ショー、世界デジタル貿易博覧会(杭州)をはじめ、大型イベントも相次いで開催されるようになった。一方で、移動・行動制限の大幅な緩和により新型コロナウイルス感染症が急速に拡大した結果、自粛ムードが広がっており、また参加者が感染して参加できないというケースも多いため、一部のイベントや宴会等は中止となっている。
・一方、7日以降、「ゼロコロナ政策」の転換により、市中感染者が増加しており、一部の企業は政府の緩和方針に反して、自主的なPCR検査や抗原検査を実施した取り組みを実施している。今後さらに大きく感染拡大となることが予測される中、イベントの実施可否もいまだ不安定な状況である。
④ 文化和旅遊部データセンターによると、2023年の元旦休暇は、全国の国内観光客数が延べ5,271万人となり、前年同期比0.44%増となった。コロナ前のデータとの比較では、2019年同期42.8%となった。国内観光収入は265億元で、前年同期比4%増であり、2019年同期の35.1%となった。都市や周辺地域で過ごすことが主流であり、遠方への旅行は穏やかに回復してきている。

【フィリピン市場】

① 訪日再開時、個人旅行客は、ERFSルールでのビザ取得にためらいが見られ(既保有ビザが無効化される、ERFSでのビザ制度が終われば通常の新しいビザを取り直さねばならない等)、そのため旅行会社のインセンティブ旅行取り組み、取り扱いが先行した。企業側から現地旅行会社への見積発注が相次ぎ、その作業にリソースが割かれてしまうことから、一部の旅行会社から「見積依頼のみの場合は断っている」との声も聞かれた。 2022年10月11日の水際大幅緩和により、コロナ前の訪日ビザ制度に戻ったことから、個人旅行も増加傾向となったが、平均10数人の家族単位での旅行が多いため、インセンティブ旅行とともに受入側の手配が難航しているとの声が現地会社から聞かれる。
② インセンティブ旅行の需要は依然として強く、また2023年1月に入り韓国のフィリピン人に対するビザ申請システムの複雑化があったとの情報もあり、一定数の訪日への需要振替が発生する可能性もある。
③ 現地では引き続き大規模イベントが通年通り開催されている。政府公式見解として屋内外のマスク着用は不要となっているが、現在も大半がマスクを着用している。
④ なし

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