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2023年08月01日 MICE市場トピックス(7月)

毎月、海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。※2023年6月末時点の情報です。

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【中国市場】

●日本への団体旅行が解禁されていないため、訪日インセンティブ旅行案件はさほど具体化していない。
●数社の旅行会社によると、コロナ禍において、インセンティブ団体旅行を実施する場合、国内旅行のみが目的地とならざるを得なかったが、コロナ後の現在では、多くの企業が海外旅行を要望している。海外向けのインセンティブ団体旅行で目的地となるのは、シンガポール、フィリピンやタイのリゾート等の東南アジアをあげる旅行会社が多かった。一方で、一部の大手テクノロジー企業のインセンティブ旅行は、企業が個人に2千元(約4万円)の補助を行い、目的地は個人で選択可能とのこと。この場合は、個人単位で渡航が可能なため、日本を選択する社員が多いようである。
●オーストラリア政府観光局広州事務所によると、6月には旅行業界向けE-ラーニング事業(Aussie Specialist Program)を開始したほか、B to Bセミナー・懇親会を広州で開催し、MICE促進を含む業務を強化しているとのこと。
●広州事務所は、6月2日~4日の3日間、広州市内の展示場で開催されたBtoBイベントである、「広東21世紀海上シルクロード国際博覧会(MSRE2023)」(Guangdong 21st Century Maritime Silk Road International Expo 2023/広東省商務庁などの主催)に参加。3日間で100万人が来場し(一部ブースでは商品等の即売会も行われたため、来場者数には一般消費者も含む)、広州事務所は観光パンフレットなど約5,000部を配布し、インセンティブ旅行を含む訪日旅行をPRした。他には、韓国、タイ、サウジアラビア、カタール、UAEなど約50の国・地域が出展した。

開幕式の様子
開幕式の様子
日本ブースの様子
日本ブースの様子
他国ブースの様子
他国ブースの様子

【英国市場】

6月28日から6月29日にかけて、JNTOはロンドンのExcel Londonで開催されたMICE見本市である、Northstar Travel Group主催「The Meetings Show UK 2023」に単独出展を実施した。JNTOブースでは、新規リードの獲得および、バイヤーとの情報交換を目的に、主に英国および欧州等のインセンティブバイヤーや国際会議主催者、コアPCOなどと商談を実施し、2日間の会期中、JNTOブースで行った商談件数は合計35件となった。4月末にすべての入国規制が撤廃されてから初の英国でのMICE見本市となり、日本で具体的な案件を検討している声が多く聞かれ、一般観光の回復同様に、今後ビジネスイベント需要の回復にも期待したい。

商談の様子
商談の様子

【フィリピン市場】

フィリピン市場では韓国が日本の競合国の1つだが、今年に入りビザ手続きが厳格化された影響で、行き先を日本に変更するケースが相次いでいるとの声が旅行会社から上がっている。また、旅行会社側からも日本を代替地として提案している模様。団体旅行において参加者の一部にビザが発給されなかったり、発給が出発直前になったりした事例もあるとのことで、韓国はリスクが高いとの認識が拡大している。フィリピンでは社員旅行が非常に盛んで、就労・勤続意欲を高める重要な施策になっている。社員から行き先のリクエストが出されることもあり、積み立て等を行っている会社も珍しくない。このような文化背景においては、ビザを理由に社員旅行に参加できなかったり中止になったりすることは絶対に避けたいため、日本への変更トレンドは当面続くのではないかと思われる。

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