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2023年12月06日 MICE市場トピックス(11月)

毎月、海外の複数市場について、JNTO海外事務所が収集したMICE関連の状況やトピックスをご紹介します。 本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。※2023年10月末時点の情報です。

本情報の転送や媒体掲載はご遠慮ください。

【マレーシア市場】

・10月5日開催したJNTOインセンティブ商談会に、マレーシアの現地旅行会社20社と、日本から自治体関係者や宿泊施設など15団体が参加し、活発な商談を行った。また、クアラルンプール事務所からは、商談の前に訪日インセンティブツアーの現状やJNTOの最新支援内容を説明するプレゼンテーションを行った。一部のバイヤーからは日本現地の手配費用が高騰している点について懸念する声があった一方、新しいサプライヤーや旅行商品と出会うことができたとの評価もあった。参加セラーからは、「具体的で有意義な商談が出来た」との声が聞かれた。

・11月、12月に出発のインセンティブグループが増えている。小グループのツアーが多く、ツアーの決定時期と出発時期が一ヶ月以内となることもある。2023年4月以降、マレーシアからの人気のインセンティブツアー先は、日本の他ではスイス、タイ、ドバイ、オーストラリア、韓国、ベトナムなどとなっている。

・現地のMICE関連の動きとして、マレーシアコンベンションビューローがMeet in Malaysia Campaignを実施しており、マレーシアで開催されるMICEイベントへの開催支援を提供している。グループサイズにより、7.7万円(50名以下)~146.6万円(250名以上)の支援を提供。

セミナーの様子
セミナーの様子
商談の様子
商談の様子

【フィリピン市場】

10月3日にマニラ市内のホテル(ザ・ペニンシュラマニラ)にて、JNTOインセンティブ旅行商談会を開催した。当日は日本から自治体や宿泊施設、旅行会社等のセラー15団体、フィリピンから約40名のバイヤーが参加し、午前中はJNTOや日本側セラーによるプレゼンテーション、午後は事前マッチング制の商談を実施した。
日本のセラーと直接商談が出来る貴重な機会ということでバイヤー側の期待は高く、当日は生憎の悪天候にも関わらず事前登録のあった全てのバイヤーが来場し、新たな送客先の開拓のため各セラーと熱心に商談を行われた。バイヤーから、積雪時期やテーマパーク予約に関する詳細な質問を受けたセラーもあった。参加したバイヤーからは、「セラーのバランス(業種別の比率)が良かった。」「顧客からの訪日需要は増加傾向にある。ユニーク且つ新たな商品造成のため、もっと頻繁に日本の事業者と会いたい。」といった声が聞かれた。

JNTOによるプレゼンテーションの様子
JNTOによるプレゼンテーションの様子
商談の様子
商談の様子

【中国市場】

・8月24日のALPS処理水の放出を受け、特に企業の商務団体は、消費者からの批判や社員への配慮から取り消しされたツアーがあると旅行会社から情報を得ていたが、10月に入り中国国内におけるALPS処理水に関する報道は減ってきており、沈静化しつつあるといえる。団体集客に長期的な影響を与える恐れを懸念しているものの、国慶節以降は元々旅行のオフシーズンのため、そもそも年間を通して大きな動きが出にくい。冬休み期間のスノー旅行商品造成を検討中の旅行会社が複数あるほか、個人旅行の手配や旧正月をターゲットとした日本現地発着の商品、査証受付業務を継続する旅行会社も多い。ただし、春節の訪日旅行商品はまだ企画しておらず、情勢を見極めてから判断するという旅行会社もある。インセンティブ旅行では、深圳の小売業の会社が10月に約350名規模で実施したケースがあった(目的地は関東)。
・上海の外資系製造業が来年に訪日社員旅行を実施する予定。このツアーを取り扱う旅行会社によると、最近のインセンティブ旅行の手配状況として、30人以上の団体の場合、ホテルの空室や大型バスがなく手配が難航している、また、団体向けのレストラン(特徴ある日本料理店など)が少なくなっているとのことで、コロナ前のような大型インセンティブ旅行団体の手配先が見つからず苦労しているとのことであった。

【米国市場】

10月17~19日にネバダ州ラスベガスで開催された、米国最大の会議・イベント業界向け見本市であるIMEX Americaにブース出展した。2019年の過去最高記録である14,000人を上回る、約15,000人という記録的な全体参加者数となった。日本への関心も著しく高まっており、各デスクで活発な商談が行われ、大部分はすでに日本に送客を予定しているプランナー、またはクライアントの要望に応じて今後のイベントの日本開催を検討したいと考えているプランナーだった。多くのインセンティブプランナーが、東京から離れた地方都市の旅行や、ゴールデンルートでの文化体験も検討していた。
米国のビジネス旅行の傾向としては、社員のインセンティブツアーにおいて、日本以外はコストを抑える為にオールインクルーシブ型ホテルがある地域やクルーズへの需要が旺盛な状況が続いており、訪日においては円安/米ドル高による着地での割安感も影響してか、4つ星以上のホテルやラグジュアリーホテル指定の依頼も増加傾向である。
サステナビリティの取り組みとしては、紙資料の配布は殆ど無くQRコードからデジタルパンフレットを見ていただく形にし、ペットボトルを使わないためにウォーターサーバーが置かれていたり、各ブースで車いす等でも利用できるように段差が無いなど、基本的な取り組みがなされていた。

JNTOブースの様子
JNTOブースの様子
Japan Happy Hour(ネットワーキングイベント) の様子
Japan Happy Hour(ネットワーキングイベント) の様子

【英国市場】

JNTOロンドン事務所は、10月3~4日にNorthstar Groupが毎年主催している「M&IT Agency Challenge( https://www.agencychallenge.co.uk/ )」に参加した。本イベントでは、英国内から27のエージェンシーや企業のバイヤーが集まり、チームチャレンジ、ネットワーキング・セッション、バイヤーとの1対1の商談の他、多様なバックグラウンドを持つスピーカーによる4つのプレゼンテーションも行われた。プレゼンテーションでは、欧州のイベント会場でごみを分別して捨てるようになっているが、実際に回収された後は全くリサイクルなどがされず一緒に廃棄されてしまっていることが問題となっており、表向きだけのアピールだけでなく、実際に対応しているというアピールが重要との話があった。
ロンドン事務所は、MICEデスティネーションとしての日本をプロモーションする10分間のプレゼンテーションと、バイヤーとの商談を行った。バイヤーは日本全般について関心が高く、中規模イベントやミーティングの開催地として日本に興味を示しているバイヤーもいた。
本イベントでは、会場やイベントが持続可能であることの重要性がテーマとなっており、どのコンベンション・サプライヤーも、エネルギー使用効率の改善、使い捨てプラスチックの削減や廃止、リサイクル対策など、ネットゼロに向けた取り組みを強調していた。

メイン会場の様子
メイン会場の様子
ネットワーキングイベントの様子
ネットワーキングイベントの様子

転載禁止(©JNTO)
<JNTO担当部署> MICEプロモーション部
 TEL:03-5369-6015 E-mail:convention@jnto.go.jp